大草直子の考えるおしゃれ(大草直子、講談社)を読んで考えたこと
”理屈やルールではなく、どうしてもあなたが偏愛してしまうものたち。実は、これが深く「あなた自身」を表していたりするのです。”
この本の趣旨は、自分に向き合い、「私らしさ」とは何かを考えた上で、体型別の具体的な着こなし方を学んで、自分らしいおしゃれをしましょう、というものです。
シンプルで、かっこよくて、なのに地味じゃないおしゃれ。
まだ20代の私にとっては、大草さんは大人なイメージで、まだそのファッションを取り入れるのは早いかな、という気がしていました。
しかしこの本は、大草さんの生き方や考え方に関する部分にもページが割かれていたので、読み物として楽しかったです。
そんな中で特に印象的だったのが記事冒頭の一文。
「私らしさ」を見つける手順として、過去・現在・未来を見つめること、3つの客観的な視点を持つことが「ステップ」に分けて書かれているのですが、
そのうち、現在の自分を見つめていくステップについて書かれた中にあったのが、その文です。
再掲しますね。
”理屈やルールではなく、どうしてもあなたが偏愛してしまうものたち。実は、これが深く「あなた自身」を表していたりするのです。”
大草さんは、自身を例として、ハートモチーフのネックレスを挙げています。
かっこいいファッションに一見合わないものだけれど、どうしても捨てられないものなんだそうです。
現在自分が好きなもの、それが私らしさである、というのは、なんとなく分かります。
しかし、この本を読む前の私にとって、「好きなもの」を探すとは、雑誌やネット、店頭から、いいなと思うものを探すというイメージがありました。
つまり、今手元にないものから好きなものを選び出すという考えだったのです。
手持ちのアイテムは、かぶらないように気を付けているし、そもそも好きだから買っているのでから、考えるまでもない、と思っていたのです。
なので、ハートモチーフのネックレスの例を見たとき、はっとしました。
自分の目指す路線には一見合わないけど、つい手に取ってしまうものが私にもあるんじゃないか?
そしてそれが「私らしさ」というものなんじゃないか?と。
私は、女性らしくて、華やかで、現代的で、仕事ができそうな雰囲気のファッションを目指しています(贅沢)。
これから年齢を重ねていくにあたっては、甘すぎない、ごちゃごちゃしていないよう心掛けていきたいと思っています。
それを踏まえた上で、「一見合わないけど、つい手に取ってしまうもの」、
それは「花」のモチーフだなと思いました。
花柄にもいろいろありますが、まず思いつくのは水彩のような優しい色・ふんわりした形のもの。
下着とかによくついてそうな繊細なレースや刺繍の花。
乙女心を刺激するアイテムです。
あと、学生時代に一時大流行した小花柄のロンパースとか。
西野カナのファッションが大流行した時代、今思えば小花柄はそれほど好きではなかったのだけど、ついほしくなって買ったのを覚えています。笑
小花柄は少女のようなかわいらしさが出る柄ですよね。
花柄は女性らしさ、華やかさは出るんですが、甘すぎになってしまう、ごちゃごちゃしてしまう典型的な柄だと思うのです。
現代的で、仕事ができそうな雰囲気とはマッチしにくい。
大草さんは、大好きなハートモチーフのネックレスを、小ぶりにして、チェーンも短くして取り入れているそうです。
今のファッションとけんかしないように甘さを調節しながら、好きなものを取り入れると、それが揺るがない「私らしさ」になる。
花柄だって、はっきりしたものを選べば大人っぽくもなるし、色数を減らせばごちゃごちゃしにくい。
小物使いのみに抑えればかなりシンプルにもできる。
目指すファッションに合うよう調節しながら、好きなものを取り入れていきたいと思いました。